東京の予備校に通ううちに徐々に東京の生活を知ってくるようになります。田舎ではみたことが無い、いろんな新しい発見は新鮮でした。
いろんな発見のうちのひとつ。御茶ノ水駅前にプラカードや垂れ幕を持ちヘルメットをかぶってマスクをし、サングラスをかけた集団が立っていました。似たような格好をした集団を明治大学や法政大学で見かけました。学生運動や左翼活動をしているグループを青森では見たことがなかったので、都ではこんな活動が流行っているのかあと思いました。(もう既にその頃は流行遅れの活動でしたが)。
学生運動の様子はテレビでしか観たことがありません。以前のニュースを特集している番組があるじゃないですか。それぐらいでしか見かけたことがありませんでした。ある時、御茶ノ水駅前に立っているその集団に、黒ずくめの軍服を着た若者が声を荒げて殴りかかっていっていました。都は物騒なところなんだなあと思ったことを思い出します。
同じ部屋の佐賀出身の寮生、F君が興味本位で、その学生運動の集会に顔を出してみたと話しました。駿台予備校の寮生は地方からの出身者ばかりなので、東京で見た新しい発見、出来事を話し合うのが、会話の主なテーマだったと思います。
F君は活動にのめり込まず、勉強に打ち込み見事、大学に受かったので良かったのですが、東京には勉強を妨げるいろんな誘惑、刺激があります。いろんな情報源が近くにあり、受験に有利な面がある一方、予備校生にとっては自分を律しないと危険な場所ですね。
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